DTMをやっていると、ミックス時に特定の音が埋もれてしまう、なんてことが良くあります。そこで、今回は特定の音が埋もれてしまう時に効果的な3つの対処法について解説させていただきます。
目次
埋もれている音を上げるべきではない
まず、音が埋もれてしまう時に、みんなやりがちなのが、埋もれている音を上げてしまうことです。当然上げれば、埋もれなくなります。しかし、次に違う音が埋もれた時にはその音を、また違う音が埋もれた時は…と、音量上げスパイラルに陥ります。こうなってしまうと、最終的にマスタリング時に音圧が得られなかったり、クリップして音が割れてしまう原因になります。
では、どうすれば良いのか? 察しの良い方ならもうわかったのではないでしょうか? では、音が埋もれてしまう時の具体的な対処法について解説していきます。
音が埋もれてしまう時の対処法
1. 埋もれてしまう音以外を下げる
特定の音が埋もれてしまう時は、それ以外の音を全て下げて埋もれないようにしてから、マスタリング時に全体の音圧を上げると上手くいきます。そう、埋もれている音を上げるのではなく、埋もれている音に全体を合わせてあげるのです。
また、ミックス時の音のバランスは下記の動画が非常に参考になりますので、ご視聴をオススメいたします。
2. ぶつかっている周波数をカットする
埋もれてしまう原因の一つに、他の音とぶつかって後ろに隠れてしまっていることがあります。例えば、ベースがギターの低音とぶつかって埋れているような場合。そんな時はぶつかってしまっているギターの低音部分をイコライザでカットしてあげるとベースが前に出てきます。
ぶつかっている部分の周波数を調べるのは、アナライザや、特定の周波数だけ聞けるタイプのイコライザがオススメです。例えば「WAVESのPAZ Analyzer」や「FabFilterのPro-Q2」などが有名です。
WAVES PAZ Analyzer
PAZ Analyzerは、WAVES GOLDにもバンドルされているので、所持している方も多いのではないでしょうか?
FabFilter Pro-Q2
3. AIに任せてみる
最後に、iZotopeのOzone 8とNeutron 2を使用してしまうのも効果的です。Ozone 8はマスタリングを、Neutron 2はミックスを自動で行ってくれるプラグインになります。DTM中級者程度だったら、ミックス・マスタリングを自分でやるよりも、AIに任せてしまったほうが良い結果になることが多いです。
もちろん、プラグインをかけた後に調整することも出来ますし、AIが自動で行ってくれたイコライジングやコンプのかけ方などを見るだけでも非常に勉強になります。少し値段が張りますが、我流で試行錯誤している時間が勿体無いと思うなら、買う価値はありです。
函南助教授のあとがき
いかがだったでしょうか? 音埋もれ問題はDTMerなら誰もが通る道です。音埋もれで悩んだ時は、今回ご紹介した方法を試していただければ幸いです。