DTMをやる時にはモニター環境が必要になってくる訳ですが、今回はDTM初心者がモニターヘッドホンを選ぶ時に知っておきたい4つのポイントを紹介いたします。
目次
モニターヘッドホンを選ぶ時のポイント
1. リスニングヘッドホンとモニターヘッドホンの違いを知る
「MacでDTMを始める時に絶対に必要な3つの物」でも少し触れましたが、DTMで使用するヘッドホンはモニターヘッドホンです。では両者は何が違うのでしょうか?
使用用途が違う
リスニングヘッドホンは名前の通り、音を聞く為のヘッドホンです。つまりリスニングヘッドホンの目的は、心地よく迫力あるサウンドに変換して良い音で聞かせることです。例えば映画見る時、家のテレビと映画館で見た時では音の迫力が全然違うと思いませんか? それは、映画館のスピーカーが迫力を増すように変換しているからです。
対してモニターヘッドホンの目的は音をモニター(監視)すること。つまり変換を行っていない、調整しやすい原音を聞かせる為のヘッドホンなのです。
リスニングヘッドホンとモニターヘッドホンの周波数イメージ
リスニングヘッドホンの方は、低音と高音が持ち上がっている、いわゆるドンシャリという加工が行われています。対してモニターヘッドホンは、どの周波数にも特徴はなくフラットになっています。
あくまでイメージなので、本当にこのような周波数にはなっている訳ではありません。
2. モニターヘッドホンとリスニングヘッドホンの見分け方
実際のところ両者の区分けに明確な定義はないので、モニターヘッドホン寄りのリスニングヘッドホンもありますし逆もまた然りです。なのでメーカーのサイトなどで製品のスペックを見れば判断することが出来るでしょう。
しかしながら、私も含め大抵の人はスペックを見たところでモニター用かどうかなんてわからないと思います。(笑) なので、ここは素直にネットで検索するのが良いでしょう。
3. ヘッドホンには密閉型と開放型を選ぶ
ヘッドホンを選ぶ時にまず押さえておきたいのは、密閉型と開放型どちらにするかです。ここでは各々の利点と欠点を見ていきましょう。
密閉型
利点
- 遮音性が高く音漏れが少ない
- 全体的に音が力強い(やや低音が強め)
欠点
- 聞き疲れしやすい
- 音がこもる
遮音性が高く音が密集する為、開放型に比べ力強い音になりますが、少しこもって聞こえます。また、長時間装着していると耳が疲れてきます。
レコーディングスタジオなどでは、ヘッドホンから漏れた音をマイクが拾わないように密閉型を使用しているケースが多いです。特に、ボーカルレコーディング時などに好んで使用されています。
開放型
利点
- 高音域がよく伸び綺麗に聞こえる
- 聞き疲れしにくい
- 音がこもりにくい
欠点
- 遮音性が低く、音漏れが多く外部の音も入りやすい
- 低音域が弱く聞こえる
開放型は、音の伸びが良くクリアで自然な広がりを感じることができますが、密閉型に比べると低音成分が少ないです。
また、遮音性が低く音漏れが激しい為、ボーカルレコーディングなど音漏れしてはいけない環境での使用は避けた方が良いでしょう。それとミックス中などに外部の音が聞こえてしまうこともある為、騒がしい場所での使用はオススメできません。
4. 価格帯について
初めて購入するモニターヘッドホンだったら、1万円 ~ 2万円程度のものが良いでしょう。もちろん予算があるならそれ以上のものでも構いません。
しかし逆に5000円くらいの価格帯はやめておいた方がいいでしょう。そもそも5000円くらいの価格帯のモニターヘッドホンは多くありません。それにモニター環境はDTMのきもになるので、結局は安物買いの銭失いになってしまうと思います。
函南助教授のあとがき
以上が「モニターヘッドホンを選ぶ時に知っておきたい4つのポイント」になります。密閉型と開放型を選ぶ時は自分がDTMをやる環境を考慮して決めると良いと思います。
次回は「DTM初心者にオススメのヘッドホンSONY MDR-CD900ST」を紹介したいと思います。