六本木にあるエフェクター工房、「東京エフェクター」にエフェクターの修理(リペア)を依頼しました。修理を依頼するに当たって、ネットで評判や依頼の流れを調べたのですが、あまり出てきませんでした。そこで今回は、実際に私が東京エフェクターに修理を依頼してから、受け取るまでの流れと感想を書いていきます。
目次
東京エフェクター
東京エフェクターは、六本木にあるエフェクター工房です。エフェクターの修理や、ヴィンテージエフェクターの販売などを行なっています。詳しくは公式サイトをご覧下さい。
修理の流れ
六本木の東京エフェクターに出向く
まずは、六本木にある東京エフェクターに、修理してもらいたいエフェクターを持って行きます。店はビルの一室で、エフェクターショップというよりはエフェクター工房という感じです。気軽にエフェクターを見に行くというよりは、「このエフェクターが欲しい」とか「エフェクターの修理をしてもらいたい」など、「明確な目的がないと少し入りづらいかな」という印象を受けました。
店舗が広くなりました。どうぞよろしくお願いします。 pic.twitter.com/izJfCJSXcS
— 東京エフェクター (@tokyo_effector) August 9, 2015
店内は真ん中に「エフェクターの修理スペース」があり、それを取り囲むように「エフェクターの販売スペース」「防音室」があります。エフェクターは50個以上あると思います。
修理内容を伝える
愛想の良い店員さんに、「リペアをお願いしたいです」というと、エフェクターの名前と症状を簡単に質問されます。そしてお預かり証に「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」を記入するだけ。とても簡単です。
修理を依頼したエフェクター
ここで、少し話が逸れますが、私が修理を依頼したエフェクターについて書かせていただきます。今回、私が修理を依頼したエフェクターはTech 21 SANSAMP CLASSICを3台です。
正確にはエフェクターではなくアンプエミュレーター(シミュレーターではない)です。しかも3台とも少し違いがあります。左から「CLASSICロゴのない初期型SANSAMP(1990年代生産)」「SANSAMP CLASSIC10周年記念モデル(1999年生産)」「普通のSANSAMP CLASSIC(多分2000年代生産)」となります。初期型は使われているパーツが違うので、音も少し違います。
どれも古いものなので、結構ガタがきていました。初期型と記念モデルはスイッチの接触が悪く、ガリやノイズが発生します。普通のCLASSICについては完全に壊れていて、ものすごい痩せた音しか出ない状態でした。
修理完了まで大体2週間前後
修理までの期間は、見積もり1週間 + 修理1週間の、合計2週間くらいとの説明がありました。私の場合は、見積もりが丁度1週間、修理完了連絡が1週間半の、合計2週間半くらいでした。
経過報告は全てメール
見積もり結果や修理完了の報告は、基本的に全てメールで行います。これは、電話など口頭での説明だけだとログが残らないからのようです。メールならエビデンスとしての効果がありますからね。
メールの流れは「見積もり連絡を受ける」→「内容を確認して修理のゴーサインを出す」→「修理結果の連絡を受ける」→「受け取りに行く」という感じです。
見積もり結果
【Tech21/SANS AMP Classic①】 お見積もり金額税込6,750円〜9,450円
こちらでチェックした所、かなり歪んだ音がレベルが低い状態で出力されていて、ツマミやディップSWのコントロールはあまり効きませんでした。プリアンプの出力は問題無いようで、マスキングされている部分の回路内の部品、おそらくはOPアンプだと思いますが、動作不良を起こしていると思います。
手を尽くしてみますが、正常動作にするのは難しいかもしれません。お見積りは修理代金ですが、正常動作に出来なかった時には作業代は必要有りません。
【Tech21/SANS AMP Classic②】 お見積もり金額税込3,240円〜4,050円
フットSWに接触不良が確認されましたが、回路は正常動作していると思います。フットSWの接触不良は、メンテナンスの範囲で直りそうです。
お見積りは全体メンテナンスの料金になっています。フットSWの交換が必要になった時は別途ご相談させて頂きます。
【Tech21/SANS AMP Classic③】 お見積もり金額税込3,240円〜4,050円
フットSWに接触不良が確認されました。ノイズもSWの接触不良が原因でしょう。回路は正常動作していると思います。こちらもフットSWの接触不良はメンテナンスの範囲で直りそうです。
お見積りは全体メンテナンスの料金になっています。フットSWの交換が必要になった時は別途ご相談させて頂きます。
私の場合の見積もり結果はこんな感じでした。やはり①は完全に故障しているようで、直るかわからないとのこと。しかし、「正常動作に出来なかった時には作業代は必要有りません」とのこと。
②③は軽い接触不良を起こしているので、部品交換をせずにメンテナンスだけでいけそうとのこと。大体1台5,000円くらいかなと予想していたので、概ね予想通りです。
修理結果
【Tech21/SANS AMP Classic①】
出来ることはやってみましたが、状態を回復させることは出来ませんでした。マスキングされた回路内の、いずれかのOPアンプが壊れていると思います。申し訳有りませんが現状のままご返却させて頂きます。
また、プリアンプは正常動作していて、他のSANS AMPのプリアンプが壊れた際移植可能だと思いますので、保管しておくのが良いかもしれません。
【Tech21/SANS AMP Classic②】 修理代金税込4,050円
全体メンテナンス実施致しました。フットSWの接触不良は、メンテナンスで改善されたと思います。モード切替SWは接点が磨耗してしまったのか?多少切替時のガサガサ音が残っています。全体的には実用上問題無いコンディションになっていると思います。
【Tech21/SANS AMP Classic③】 修理代金税込4,050円
全体メンテナンス実施致しました。フットSWの接触不良、ノイズもメンテナンスで改善されたと思います。モード切替時のガサガサ音が残っていますが、こちらも実用上問題無いコンディションになっていると思います。
ふむ、やはり①は直らなかったようです。ですが、「もし②③のプリアンプが壊れた時に移植が出来るから保管しておくのが良い」とのアドバイスをいただきました。
再び六本木の東京エフェクターに出向く
修理完了の報告を受けたら、再び六本木の東京エフェクターに出向きます。そして、防音室の中でサウンドチェックを行い、修理代金を払い、全行程終了。
函南助教授のあとがき
2年前くらいから、行こう行こうと思っていた東京エフェクター。1台は直らなかったけど、長年調子の悪かったSANS AMPが2台直って大変満足しています。また、他にもヴィンテージクラスのエフェクターがいくつかあるので、調子が悪くなったらまた伺おうと思います。
みなさんも、調子の悪いエフェクターがありましたら、一度出向いて見てはいかがでしょうか?