Logicでは、プロジェクトのテンプレートを作ることが出来ます。DTMを始めて曲が作れるようになってきたら、自分用のテンプレートを作成して、作業を効率化させてみましょう。
テンプレートを作成することによって得られるメリット
1. 音作り・ミックスの簡略化
曲を作る時に毎回必ず必要になってくるのは、音作りやミックス時の各パラメーターの設定です。次回作る曲が同じようなジャンルの場合、テンプレートを作成しておく事で設定を使い回すことが出来ます。これらはトラック数が多ければ多いほど、作業負担が減っていきます。
また、プラグインの気に入ったプリセットなどを、わざわざ呼び出し直すことなく簡単に使うことが出来ます。昔使った音が見つからない時って、ストレスが溜まりますよね。
2. 曲と曲の統一性が出る
テンプレートを使用することにより、同じ設定の音を使うことが多くなる為、必然的に曲と曲の統一性が出ます。アルバムなど、1つのコンセプトを元に作る場合などに有効です。また、「この音 = あなた」のように、リスナーが音で認識してくれることにも繋がります。
ただし、似た音を使うので、当然アレンジを工夫しないと同じような曲になってしまう可能性はあります。そんな時は、違う楽器を使用したり、アレンジセンスでカバーしましょう!
テンプレートの作成方法
1. テンプレートの元にするプロジェクトを用意する
まずは、テンプレートの元にするプロジェクトを用意しましょう。音作りやミックスが完了している、完成させた曲のプロジェクトを、元にすることをオススメします。
テンプレート作成時に、プロジェクトを上書きしてしまったり、破損させてしまってもいいように、念の為バックアップを取っておきましょう。
2. リージョンを削除する
次の曲制作時に不要なものを消していきます。まずはリージョンを削除しましょう。ただし、他の曲でも使えそうなリージョンは残しておいても構いません。例えば、リヴァースシンバルなどは使い回しても良さそうですね。
3. 使用されていない項目を削除する
次は使用されていない項目を削除する為に、Logicのブラウザを開きましょう。そして下記の手順で、先ほど削除したオーディオファイルを、ブラウザから全て削除します。
『 B 』
[label title=’使用されていない項目を選択’ icon=’icon-info-circled’ class=’label-lightblue’]
適当なオーディオファイルを右クリック使用されていない項目を選択
[label title=’使用されていない項目を削除’ icon=’icon-info-circled’ class=’label-lightblue’]
『 delete 』
4. プロジェクトから不使用ファイルを削除する
2・3の手順が完了したら、プロジェクト本体から不使用なファイルを削除します。
メニューファイルプロジェクト管理整理
5. オートメーションを削除する
オートメーションは基本的に使い回すことはないので、全て消してしまいましょう。
メニューミックスオートメーションを削除すべてのトラックオートメーションを削除
6. プロジェクトを整える
ここまでで、大体の不要なものは削除出来ました。後は次のプロジェクトに引き継いで欲しくない部分を変更します。
例えば、データを保持してしまうようプラグインなどは、中のデータを消しておいた方が良いでしょう。ボーカル修正ソフトの「Melodyne」やボーカロイドエディターの「Piapro Studio」なんかがそうですね。まぁ、要は次に曲を作る時に、DAWの設定を変更しなくても作曲に取りかかれる状態にしておくのが理想的ということです。
7. テンプレートを作成する
不要なものを全て削除したら、最後にテンプレートを作成しましょう。
メニューファイルテンプレートとして保存
テンプレートの名前に好きなものを指定し、「保存」を押せば完成です。
テンプレートを使用する
それでは、早速テンプレートを使用してみましょう。Logicを起動して、「テンプレートから新規プロジェクトを作成」にチェックを付けて、OKを押します。
先ほど作成したテンプレートを選べば、すぐに作曲に取りかかれますね!
函南助教授のあとがき
いかがだったでしょうか? 私は毎回テンプレートを使用していますが、面倒な初期設定をしないですぐに作曲に取りかかれるので、重宝しています。また、曲を作りをしながら、新しい良い音を見つけた時などは、随時テンプレートの更新もしています。
皆さんも是非この機会にテンプレートを作成して、作業の効率化を図ってみて下さい!