皆さんは、VocaListener(通称:ぼかりす)を知っていますか? 今回は、ぼかりすを使用してVOCALOIDの調教をすることについて、私の思うことを書いていきたいと思います。
ぼかりすとは
「ぼかりす」とは、産業技術総合研究所が開発した、実際の人間の歌を元に、VOCALOIDの調教を自動で行ってくれるソフトのことです。動画を見てもらえれば分かると思いますが、VOCALOIDにしては非常に人間に近い歌い方をしていますよね。私もリリースされた時に衝撃を受けて、試しに買ってみたんですが中々面白いソフトでしたよ。
しかし、ぼかりすはWindows環境でしか使えないので、完全にMacに移行してしまった私には、もはや使うことはないでしょう。といっても、Windowsの時も殆ど使うことはなかったんですけどね。(理由は後述)
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歌唱力の高いボーカリストが必要
ぼかりすは人間の歌をコピーするソフトなので、当然コピー元(歌う人)の歌唱力が高ければ高いほど、VOCALOIDも上手く歌うようになります。逆に歌が下手だと、VOCALOIDも下手に歌ってしまいます。つまり、ぼかりすで上手い歌を作り上げるには、歌唱力の高いボーカリストが必要ということになるのです。
残念ながら私は歌が下手なので、買ったはいいものの、ぼかりすを本格的に使用する場面はありませんでした。
VOCALOIDである必要ある?
歌唱力の高いボーカリストがいるのに、わざわざVOCALOIDに歌わせるメリットってあるんでしょうか? 基本的に、ぼかりすを使ってコピーしたところでオリジナルを超えることは出来ません。むしろ多少の違和感は残ってしまい、結局は劣化コピーと言わざるをえないでしょう。
たまに「調教が人間っぽくて良いんだよ!」というようなコメントを見かけますが、「なら人間の歌を聴けばいいのでは?」と、いつも思ってしまいます。まぁ、このようなコメントをする方達は、単純に「VOCALOIDそのもの」「声」「完全になりきれない歌」などに魅力を感じているのかもしれませんね。そして、逆に人間の歌の方が良いという方は「歌い手」の方の歌を好む、ということでしょうか。よく出来た世界です。
ネームバリューとしての価値はある
VOCALOIDはもはや有名です。動画サイトなどでは、VOCALOIDの曲というだけで聴いている方も大勢いるくらいです。しかし、逆に無名のバンドやシンガーソングライターが、自身の曲を動画サイトにアップしたらどうでしょうか? 残念ながら、何の情報もない人の曲をいきなり聴いてくれる人は稀です。
両者共に同レベルのクオリティの曲だった場合、初期段階で聴いてくれる人数が多いVOCALOID曲の方が有利と言えるでしょう。そして、その時にぼかりすで人間のような調教をしていれば、更に人気が出る可能性もあります。
函南助教授のあとがき
ぼかりすは、歌唱力の高い人の知名度を上げる為に使うツールとしては効果的かもしれませんが、私の見解では「ぼかりすにはネームバリュー以外の価値はあまりない」と感じてしまいました。